art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

あの日は

rubenjuri2009-09-22

もちろん職場だからカジュアルにはしたけれど、後先を一応ひととおり終えて出てくる貴女に、あれから初めて会うので、小物も、全身、黒で出勤しました。
利かせ色にinしたのは、セメントグレーのタンク。これだけ。
「クールでカッコいいね。」
他の子に言われたから、よかった、バレてない。
午後から出勤してきた貴女。
すれ違いざま、さりげなく、作業の手を止める事なく、交わす言葉。
「そう。でもね、どんなに充分にして差し上げられた方でさえ、後悔は必ず残ると聞くよ。みんな、よかれと思っての事だから。それぞれ、色々、あるのだから。」
誰も責めたりしたらならないから。
全部、受け入れて差し上げましょう。




「juri....。」
あの日、朦朧の内に、パパが言った。
「なに?」
パパの顔に近づいた私に、パパは続けた。
「どう思う。」
「なにが?」
「やり方。」
「え?」
「このやり方。」
絶句したらならない。
でも驚いた。
「新聞にも連載しておられる名医なんだから、これが一番いいんだと思うよ。」
苦しい。
苦しかった。
今でも、あんなふたりきりのヒソヒソ話、ヤな娘だったと思う。
パパは、話にならん奴だって、思っただろうし。



ずっと居る時間が持てたから生じる後悔と
居られなかった後悔と
知らなかった後悔と
色々、みんな、全員。
あると、ききます。