art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

次の約束

rubenjuri2011-04-23

先日の京都でのランチの序盤の風景。
こっから食べる食べる。
大人んなってから住むのもいいかもなぁ。
京都。
本当の良さなんてわかるわけはなかったのだし。


「京都にやりなさいよぉ。居候させてもらえる先生は紹介しますから。ねぇ、そうしなさい。」
そう言えば、今日、そんな大それたことをおっしゃいましたよねぇ。
「あなたが私を恋しがっていたのは、あちこちから聞いて知っていたのよ。でもね、しかたがなかったのよ、忘れていたわけではなかったの。」
冷蔵庫に貼りッパにしていた私からの宍道湖のポストカードがはらりと落ちていたのに気づかず、返事を書かないとならない葉書の山の中にまぎれてしまっていたらしく、その中から出てきたものだから、発作的にお電話をくれました。
「見れば見るほど素晴らしい湖だわねぇ。よい写真を送ってくださったわよねぇ。いつの間にかこんなところから出てきたのよねぇ。Tもっちゃんが逝っちゃってから4年経ったけれど、一向に片付かないのよねぇ。」
もうお歳なのですからねぇ、あっちやってこっちもどしてって、繰り返してるんじゃないのですかぁ?
「あらあなたはどうしてこれがあそこにあったものだと知っているの?」
先生あなたは尊い存在だ。
良かった。あなたがあんな時代の人でも、私のトラウマを払いのけてくださった。
そう。迷ったら一言だけで導いてくださった方だったのだった。
先生、最後に会った日の事を憶えていますか?
「当たり前よ。あの日は半日ほどあの店で話し込んでいたわねぇ。」
ありがとうございます。その一言で、救われました。あなたはそんな方ではなかった。知ってはいました。でも、怖かったので。あの日に話した何気無い告白を、後悔はしていないのだし。
確かめられなかったのです。
「東京にやれとまでは言っていないのよ。そんなことを言うくらいなら、日本から出せと言いたいのだから。そんなのは寂しいのでしょう、わかっているわよ。それにしても、女の子にしか見えなかった彼が本当に近寄り難い男性になっているのだからねぇ。よくなついてくれていたのだけれどねぇ。」
今だって先生のうわさはたくさんたくさんするのですよ。
「ねぇ、お父さんにとられないの?本当に大丈夫なのね?絶対に?」
くどいですよ。
長電話より、ご飯を食べなさいよ、先生。
ありがとうございました。