朝。
貧血を自覚する。
映画製作中のそれとは違う、精神的なものであろう。
腰痛もある。
蝉が鳴く。
砂の嵐が見える。
これは、そうだ。
そう、何かが、色んな事が変わり始めた時、起こる症状。
映画の時は、何の前触れも無く倒れるのだから。
アフタ−5。
一時間の牛歩で帰り着くと、うめ氏が既に我が家で待っていた。
また、待たせた。
ごめん。
腰痛がMAX。
最速ラップで通夜会場の宝塚へ。
泣かなかった。
しっかりしていた。
父の時と、兄の時と、同じに。
強かった。
と、思っていた。
アイアン女房が横に来た。
「お父さんの時も、お兄さんの時も、看取れなかったけど、最期に嘉事さん、ご褒美あげるのね、juriさんに。」
「ご褒美なんて・・・。ご褒美なんて、私、先生には何も出来なかった・・・。」
泣き崩れてしまった。
いつも厳しい事しか言わないアイアン女房が、腕をさすってくれた。
もらってばっかり。
ずっと、ずっと、ずっと。