art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

細胞

rubenjuri2006-06-15

 先日、息子と、NHK米原真里さんの追悼番組を観ていた。
 プラハで青春時代を3人の親友と過ごした彼女が、それぞれのルーツに翻弄される3人を訪ねて歩くという内容だった。
 その次の日は、越路吹雪の映像を二人で観た。
 「あなたはナポリの男よ!どこへ行くの?」と、歌う。
 色っぽくて妖艶な『安来節』も初めて聴いた。故郷の民謡を、こんな風に歌う人が居るんだ・・・。そう言えば、私が初めて不夢不無に送った手紙には、『安来節』の歌詞を書いたっけ。
 私の故郷?そう。間違いない。でも・・・ルーツは違うらしい。
 ・・・らしい。転がり続ける4人の華僑が、大河の一滴をここに。
 息子には、何が映っただろう。
 「華僑?」
 民放の『ぴったんこカンカン』を私と観ていた息子がつぶやく。
 「ごめん、かーさんにもよーわからん。でもかーさんは華僑。あんたは、半分、華僑。」
 

 年齢をまたひとつ重ねようとするここ数日、ブラウン管を見つめるにつけ、祖国とか血とかが、細胞に情報を埋め込もうとしていた。
 んじゃないと、一個、大人にはさせてくれないかのような?