art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

回想

rubenjuri2011-10-03

チビチビのキミは天神町のアーケードの中の店舗の前で
「大人になったら銀行で両替する。」
と、チョイ上の従姉妹の私を見上げてどや顔をした。
おひさしぶりです、立派になられたそうで。
3人のパパになったというのなら、銀行で両替どころかお金を預けたり引き出したり否もっとあんなことこんなことそんなことまでやっているのではないでしょうか。


キミの両親の結婚披露宴は広い広いお座敷でした。
チビチビ過ぎる私は、お刺身の上に飾ってあった小っちゃい菊の花を、花嫁に渡そうと高砂席へ。
Kちゃんは角隠しの顔を上げてニッコリと受け取ってくれました。
すっかり忘れていたことだったけれど、ママが「Kちゃんの裾持ちは私がした。」って言った瞬間、フラッシュで蘇りました。
今、思うと。
新郎新婦の和装は似合っていました。
憧れます。


お葬式もしなくていい、戒名も要らない、お香典ももちろんどなたからもいただくな、ってのは、Kちゃんらしい遺言だと思いました。
それに逆らって家族葬を決めたキミたち姉弟も正しいと思いました。
ママは、「今度はKちゃんの紅をひいた。」と、言いました。


うちの兄貴と姉弟みたいに仲が良かったので、談笑したりするんだと思います。
母ってのは、強いけれどもろい。
寡黙で強くて壮絶だったのだろう、Kちゃんの性は。
おつかれさまでございました。
ありがとう。