art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

ジェレミー氏の秘かな愉しみ

rubenjuri2010-06-22

ロータスの葉の上から釣り糸を垂らしていて、つい、転げ落ちた。
可笑しくてケラケラと笑う。
ほとりでは、カップルが口づけたかと思うと、別れ話になった。
ひとりは気楽で愉快なことだらけだが、悲しいkissを見たら、孤独が辛いという意見もなんとなく理解できそうな気になった。
両親を思い出した。
去年の大雨ではぐれてしまったけれど、ふたりは一緒に居るのだろうか。
カップルの車が走り去った。
彼女の家の玄関先で、小さく手を振るのだろうか。
車が見えなくなるまで、涙でかすんで見えなくなるまで、彼女は立ち尽くすのだろうか。
後ろ足をダラリと伸ばしきったままで、ロータスの葉に上がるのさえ忘れて、どれくらいの時間を過ごしたのだろう。
自由はいい。
いいのだけれど、忘れた時間を、誰も思い出させてはくれないのだな。
暢気なスローライフ。でも、生まれてきた。
何かを知らない気がする。
切ないってことも。
そんなこんな、そこ、ここに、落ちているよ。
コレクションしているだけでいい。
ロータスの葉に寝そべっては
糸が引くまで目を閉じて数えている。
     juri