帰宅すると、オムライスが出来ていた。
結婚してから初めて。
ご飯作って待っててくれる人がいるというのは何という幸せなことか。
帰省したらいつだって上げ膳据え膳なのですがねエヘヘ。
セガレのオムライスは超うまかった。
高校生の時にはたまに自分でお弁当を彩りよく拵えて行っていたし、つい先日も自分の為にだけ夕飯を拵えていたが。
私の分は無いのが常だった。
オムライス、マジで美味しかったのにはビックリだ。
先日、帰宅したら西城秀樹の『情熱の嵐』をバックに包丁を持って立って迎えてくれた。
art-P菌炸裂なのだなと解釈。目力でひと芝居うってから、何事も無かったかのように厨房に戻る。
その前の日は、全ての照明を消し、月明かりでシルエットが横向きで浮かぶように計算された場初に立って迎えてくれた。
別に両日とも驚きはしないが、兄を思い出すのだ。
パパを思い出すのだ。
「紫のパンツ、履きこなしを考えていろいろやってたら、コレがポケットから。」
兄の形見をコーディネートしつつロールアップしてみたりして履いたり脱いだりしていたら、ポケットをまさぐるとミッキーの手が。
どういう了見かお兄ちゃん。
どういういきさつでなのか。
今も噴霧し続けるのか。
甥がまんまと受け継いでいる菌を。
兄は料理も一流だったっけな。