art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

Brief an den Vater

rubenjuri2012-05-11

幼くて
言葉を選ぶ事を知らずに打ち明けたことを懺悔します。
誰あろう父に。
ごめんなさい。


時折思い出します。
暗い玄関先の共同電話の受話器を持って、パパに言った。
「院に行ってもいい?受かるかどうかわからんけど。」
結局、チビチビの頃から知りたかったことはずっとわからない。
わからないのは当然知っているけれど、それでももっと突き詰めたい。
「パパ。そのまま捨て石になってもいいと思っちょーよ。次にバトンさえ渡せるなら。」
そんな言い方があっただろうか。
「・・・juri・・・。我が子が・・・捨て石になってもいいなんて親は・・・ないわや・・・。」
「捨て石としての役目を果すなら、いいもん。」
泣いたのだって、独りよがりに他ならない。
若いって、羨ましいくらい莫迦だ。
ヒマだったのだし、今の時代からしたら、恥ずかしい。
究極の売り手市場だったから、こんな哲学バカも、アパレルに就職できた。
嘘みたい。



今なら。
あの時のコントロールならない己を、こうなだめよう。
宇宙の泡じゃない。
己という宇宙に誠実に生きることが
細胞一個一個に栄養ある情報を注入できる。
そのたった一個の細胞が、
マクロな宇宙なのだ。
パパ。
これでどうでしょう。
正直に生きたい。
あの時はごめんなさい。
言い直します。
院は受験すらしなかった。
それはパパに反対されたからではない。
知らなかったんだ、捨て石なんかじゃないってことを。
説得できないってのは、本気じゃないってこと。
反対してくれてありがとう。
おかげで、表現という居心地の良いラボを確保しました。



そんな事を思う、リハ終わり。