art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

JURI

rubenjuri2010-09-28

3年前。
スタジオでNANAちゃんに『現身』とは何を歌った歌詞なのかと訊かれた。
兄が逝ってしばらくして作った曲で、兄が光に導かれるままに逝ったことと、愛する誰かはいつかどうせ光たり得る存在に導かれて去って行くのだということを解いているのだと説明した。
説明はした。
スタジオの騒音の中でね。
彼女はあの通りの子ですのでね、質問しておいて、ピンときてない表情をしましたがね。
それでいいんです。
『28号棟』のエンディングに書き下ろした曲で、劇場に来てくださったお客様たちからも、歌詞のスーパーはもっとゆっくり流すべきだとご意見を多数いただきましたけれど、いいんです。
説明なんて初めてしました。それは、NANAちゃんのキョトンとする顔を見たかったってのが半分と、騒音にかき消されるだろうってのが半分でした。
全部はバレるわけにはいかんだろう。
メフィストだからさ。


何度か此処で述べてきたと思うけれど。
『28号棟』を撮るにあたって、『鉄腕夫婦』を観たMAMIが、「次のでオリジナルを挿入しないの?」と言ってくれました。発想すらしていなかったので、「あ、そか。」と、即答し、その夜に『現身』を書き、ホヤホヤをその夜の内にMAMIに電話で歌って聴かせました。
「はっや!!」と、MAMIは驚いていました。
MAMIからのあの一言がなければ今の自分はなく、その後の、人との出会いもなかったと思うので、とても感謝しています。
此処までは・・・。実は、もう一個、MAMIに感謝しています。本人にも伝えていない部分で。
MAMIからの助言より遡って数ヶ月前。
セガレが言っちょったよ。MAMIとHさんは付き合うようになるって思ってたって。」
ちびちびのクセに見抜いていたことに大爆笑したMAMIは、ひとしきり感心しひとしきり涙を流しながら爆笑した後、息を整えてゆっくりと言いました。
「おとんも逝って、大切な人はおらんやんなる。誰んだいおらんがね。(juriの)お兄ちゃんもおらん。(juriの)パパも。そげでしょ?だけん、もう、やだに。やだけんって、言ったんだわ、私。そうしたら、“勝手にそげ思っちょけばいいがや。俺はずっとおる。そばにおる。”って、そげ言ってごしたに。」
Hさんはその頃体調を崩していたりしたのに、強く言い放った感じが、とってもカッコイイなぁ、と、しみじみ思いました。そして、MAMIは勇気百倍、良かったなぁって、思いました。
で。
そんなこんなあったMAMIに。
『現身』が出来た夜。
『現身』の歌詞に共感するのか、どうなのか、反応を見ました。や、無意識にです。
「juriらしい。juriそのものだわ。」
MAMIはそう言いました。
MAMIが共感しなかった!まるで忘れてしまったかのように、記憶を隅に追いやって、安心して彼氏と生きているんだ!!
嬉しかったのを思い出します。
ありがとうMAMI。
感謝しています。
そして。
「オリジナルをどうするつもり?よかったら、俺らでバックアップしますよ!」
って、何も頼みもしていない内から申し出てくださった、かけがえのない大切な仲間、レッキンさんに。
心から、感謝しています。
本当にありがとうございます。