art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

『Fall Again』by MJ

rubenjuri2010-01-22

吉川周而の“黒”は、のめずりこむ。
それでもいいだなんて、私は一度も思わなかった筈だ。
いつだって逃げ腰で
“プライド”とやらを旗印に
脱兎の構えで。


「また堕ちる」
セガレがつぶやいて引き戸を閉めた。


印象としては
私の方じゃなくて
のめずりこんだのは。


私は。
私はただ、
唇をみつめていた。
触れてみたいと思っていただけだったっけ。


ひとりきりで対峙していたとしたら、
この黒のパズルに吸い込まれただろうね。
そんな
研ぎ澄まされた瞬間が作られないようにしているのは
他ならぬ己なのか。


当時から知っていた吉川氏の作品がここへきて唐突に語りかける。
それは
それはねぇ。
音を伴ったら。


それが
それが音なんだ。
音楽なんだ。
壁なんだよ。


何処へ行こうかとさまよっていると
女神が自身のHPに綴っていた。「今年こそJURIのライヴを生で観たい」と。
直後はそんな沢山の声と反響をいただいた。
でも、2年を過ぎようとする今も、数人は言ってくださるのか。


吉川周而展は、明日の土曜日で終わります。
かかる想いを抱きながら、今一度、氏の作品に会いたい。
行きたい。
のめずりこんでしまいたい。
冷たい“黒”に
涙を吸い込ませてみたい。