art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

チャコール

rubenjuri2009-01-22

相変わらず超多忙なマダムが、休憩時間めがけて来店。先日、彼女からの電話に出た時に「え?今?元家です。」と、答えたことで、必死で時間を作って来たようです。
「時間がないのよ。何を食べるの?オムライスにしようか。」
席に着くどころか、ご飯屋さんにもまだ着いていないのに、本題に入るマダム。
「アナタああやって時々前の家にご飯を作りに行っているの?で、彼には会ったりしちゃうの?」
「別に避けてるわけじゃないけど、あんまり会わないですよ。」
「覆水は盆に返っちゃったりなんて、やっぱり、どうなの?」
「しません。」
「即答するじゃないのぉ。ホントにぃ?」
「覆水が盆に返るわけないじゃないですかっ。」
「でも、ほら、偶然会っちゃって、ほら、また、ねぇ。だって、あの子、いい子よ?あんなにアナタのこと、ねぇ。もう終わってしまったんだし、私は言わなかったけど、絶対的にあの子はアナタを手放したくなかったわけだから、泣かせたくなかったのよぉ。・・・そうかー。やっぱり、だめかぁ。」
スルーするしかないです。頷きもしませんでした。これは、そういうことじゃなくて、相手がどうとかじゃなくて、しかたなかったんです。
マダムのご親族の話に照らして、結局、終始、マダムが考えているのは、セガレのことなのだとは、解っています。そして、私のこれからのこと。
マダムとは、ランチをイッキ食いして、30分ぽっちで、お開きに。ゴチでした。
私が定期的にマダムに会いたくなるのを知っているセガレも、今は、もう、マダムに会いにはついてこなくなって久しく、近況をいつもマダムには報告はしているのですが、セガレが私の事情を解ろうとしてくれているってのまでは、わかんないでしょう。空気を読むように歪めてしまったのは、私です。ヒドイ話ですが。


夜。
ウィーンの友人が、「skypeつけて」と、電話してきました。非通知だったから出ない筈なのですが、数日前から彼女のことが気になっていたから、出ました。やっぱり彼女でした。
相変わらず辛そうです。キリのいいところまで相づちをうち、途中、風呂と洗濯を挟んで、こちらからまたかけてやりました。
大学時代から、こういう関係だから、乗りかかった舟なのです。
相づちの間に、時折、意見を挟んでやると、「あー、そうか、そうなんかぁ。」とか、「そうやなぁ、ホントに、その通りやわ。」とか、聞く耳が養われているから、光が見えました。今までで初めてかもしれません。
自分から、「もう、切るね。ほんと、ありがとう。」と、〆たのも、少し驚きました。
私が、用事のないskypeを開いたのも、彼女が居るから。スゴイ時代ですね。


なんだろう。
昨日と今日では違う。
大切な人たちと、利害関係だけを計って来る人たちと、包んでくれる人と、包んでやらなきゃならない人と。
全部見えてしまう年齢になっちまったのか、最初からそんなのなんて、わかっているのに八方美人だったのか。


明日、わかるよ。
明日。
おやすみなさい。


画像:ヒステリック・グラマーのパーカー(セガレ私物)