一番弟子の声で目覚める朝ほど、幸せな朝はない。
新居に選んだ街には、私の一番弟子が居る。
もうひとり居て、彼女はT市に居る。
その下に、二番弟子、三番弟子...と、続くのだが、上記の二人以降は、もう、順番やら何やらどうやら、忘れてしまった。
声がきれいなだけじゃ駄目なのだよ。
私の二人の一番弟子のように、全て、見えていないと、駄目なのだよ。
嗚呼。
素晴らしい二人の女性。
ありがとう。
「うちの(家内)もそうだけど、声って、歳とらへんねんで。」
一番弟子のご主人が言う。
「だけど、身体は、とるんす。」
juriが言う。
主:「しゃーない。引退は、ない。」
j:「誰にも労ってももらえぬまま?」
主:「せや。」
殉職しろと?
夜。
事務所にマダムの姿、アリ。
彼女にこそ、引退の文字はない。
明日は2升分のお寿司を炊いてくるからと言い放ち、エプロン隊に恐縮がられているのを目撃。
j:「やめときぃな。今日も色々大変で忙しかったんやろ。もう、献立は決まってんねん。もう、いいから。」
言う事はきかない。
疲れているのに、知らないからな。
マダムに家まで送ってもらいながら、愚痴る。
j:「若い時ゃ、平気だった事でも、無理になってきました。来期は、きっと、引退してる。」
もっすご、怒られました。
マ:「アナタの歳の頃は、1日9コマ授業持ってたんやないの!!その上、出張は、日本全国、ひとりで車だけで行ってたのよ!!」
それを退官までしてこられたのだから、そりゃ、屁みたいなもんですわな。
マ:「今のうちに稼ぐのよ。私がM女子の客員教授やってた頃のギャラ、当ててご覧なさいよ。」
ヤダよ知らねーよ。
・・・結局、教えねーのかよ!