伯父は親戚一同から“ちゃーうー”と呼ばれている。
それは、“旦那”という意味。
誰のちゃーうーかというと、勿論、伯母の。
伯母は、ママの一番上の姉。
因みに、“嫁”は、“いっそー”。
我が親族にとってのいっそーは、ママのすぐ下の弟の奥さん。
ママや叔母たちが、「いっそーが」と噂し出す度に、幼い私の頭ん中で、浜田省吾がカップヌードルのCMソングを歌ったものであった。♪いっそーeasy♪って。
当たり前のように喪服で通夜会場に行くと、黒装束の参列者側とは打って変わって、ちょいと様子のおかしい親族側の景観が目に入った。
真っ黒な格好のママ。
涙で目を腫らしたヒョウ柄ニット姿の叔母。
デニム地に赤ステッチのJKTを羽織った叔父。
その一角に一瞥をくれて、一番前で憔悴しきってやせ細った伯母のところへ。
「おおjuriか」手を握り合い、お互いに泣きながら、棺へ。
ん?
四角い銀色の、あちらへ行く道すがらとあちらへ行ってからのお金が、沢山。顔だけ出ていて、あとは全てお金で隠れている。
ん?
初めて見たけど、なーんか、似てるのは見た事ある。
な、シンクロ通夜でした。
皆でお寿司をつつきながら話していたら、叔父がデニムJKTを脱いだ。インナーは、赤と白のチェックのボタンダウン。
うそだろ。
故人の長男も、続いてJKTを脱ぐ。
「T兄ちゃん・・・。」
そこで初めてツッコもうと決めた己。
「写メらせて。」
それが、この画像です。
「いいだろ、トムとジェリー。」
やっぱりツッコむのやめた。
うちの“バカ全国大会エントリー”母方大会は、まだ序の口なのだろうが。
父方大会が、もっと凄い。
なんだ、これは。
いいのか?
喪服はどうした?
ママもお姉ちゃんも私も、常識人で本当に良かった。
故人の次男か三男のどちらかわからないが(双子の為)、H兄ちゃんが、私を呼んで小声で言った。
「Y坊(我が兄)、いつやったんや?」
「えっとー。一昨年だわ。」
『鉄腕夫婦』の本書いてる時だったから。
「全然知らんかったんや。何もしてへんねん。」
「急だったし、誰にも言ってないもん。いいよ。」
「アイツ、変わった奴だったなぁ。」
「そうだね。」
我が家は女3人は普通なのですが、男二人がアートピーだったのです。
「アイツ程変わった奴、知らん。」
いやいや、兄貴は私の結婚式には目の覚める緑色のJKT羽織って来たけど、お悔やみ関係には喪服で来たぞー。
ところで、故人の息子たち4人、全員カッケー。
私のメンズの好みのルーツはこの4人にあったか!
認識〜。
やっぱ、ブラコンでファザコンかな。
ついでにマザコンのシスコン。
この4人くらいカッケー人、ちょっと、見かけないな。
残念。