art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

Brief an den Bruder

rubenjuri2006-03-17

 そっか、メリアさん、お彼岸ですか。
 昨日が父の月命日、今日は兄の命日、安全な空間で静かに居ようと思った。
 二十歳の同僚が電話で起こしてくれて、二人でキーラーゴの、K女史作油彩画たちに囲まれて過ごした。
 温かい牡蠣グラタンと、ガトー・ショコラ。
 lehuaねーさんらと行った時は、葡萄の作品が心底しみたから、今日もそれ目当てだったけれど、今日は一番奥の如何にもK女史っぽい、花の二作品が深呼吸ものだった。
 「juriちゃんは皆が選ばないのを選ぶのよねー。」
 と、いつもK女史に言われるが、昨日の今日で、彼女その人そのものの作品に癒されたのに違いない。
 ありがとう、華やかなK女史よ。


 駅前のモールで買い物をし、馴染みの和菓子屋さんで、苺大福(白餡ver.)を一個ずつ買う。
 「袋、要らんやんな?」
 「要らーん。買い食いやし。」
 息子がいつもここでやっている、その真似を、二十歳に伝授しておきました。
 で、電車で食べる。
 何の用事もなしに、連れと電車でこの街に来るなんて、初めてかも知れない。8年以上どっぷり漬かっているこの街だけれど。二十歳に感謝。引き蘢りには、快挙です。
 それにしても、何度食べても感動の苺大福。ここのが一番。
 「飲み物、一切、要らんやろ?」
 「ほんとですねぇ。」
 黒餡も買えばよかった。でもヤッパ、買い食い感があるのは、一個だろう。
 


 降車駅近くになったら、兄の連れ合いからメール。
 今宵は兄貴の好きだったモノを並べて過ごすとの事。
 私はどう過ごそうか。
 ひと駅早く降車し、“俺の黒”の装着さえ忘れて、考えながら帰宅した。



 二年前の今日、夕飯後の気絶をリビングで貪っていると、電話で兄の急逝の一報が入る。
 あれからそのシチュエーションが怖くて、体育座りのまま気絶する事が多くなっているが、今日は、気付けばあの時の格好で覚醒。あれ?寝てた?
 もう深夜。
 で、一晩中、風呂にて、半身浴をして過ごしました。
 私があの時、眠りを貪っていた頃、彼女は壮絶な現場に身を置いていたのだ。
 兄貴が自分を兄貴の身内に紹介しようとしなかったから、彼女は私や姉にその一報を入れなければならない状況で、まずは自己紹介をしなければならなかったのだ。
 そんなこんな考えていたら、あっという間に朝が来た。


 パパは相変わらず私の夢ん中で、飄々とくつろいでいる。


 二人共、今回の戒め、ありがとう。
 画像は兄貴の鞄です。