art-P capsule

フリーMC。2004年から映画とロックを作っています。ジャンルレスボーカルや表現を生業としている日々を記しています。2004年12月より毎日更新。

Agua De Beber

rubenjuri2014-07-21

カフカの最期の言葉について先日記したから思い出したわけではない。
ゆーこちゃんが愚痴った話題でフラッシュが脳裏を連写した。


「ママ。」
夜中にママを小さく呼ぶと、一度で目覚めるママ。
お水なのかお茶なのか牛乳なのかまでは定かではないけれど、乞う。
ママは無言で台所に立って、寝床にコップ1杯を運んでくれる。
それを飲み干してママに返す。
それだけ。


無表情で、ニコリともしないのに、こんなに愛を感じて安心して信頼している瞬間があるだろうかってくらい、幸せ。
そのまま、ふたりとも、眠る。


「かーさん。」
小さくセガレが呼ぶと目が開く。
「ぎゅんぎゅん。」
ムクッと起き上がって、台所に立って、コップに牛乳を注いで戻る。
一気に飲み干すセガレ。
それだけ。


幸せ。
こんな幸せは他にはない。



帰ってきていたので、セガレに訊いた。
夜中に喉が渇くということすら憶えていない。
まぁ、そんなの、どうだっていい。
記憶の問題なんてね。


経験をした。
このふたつの幸せを何度も。
このふたつは
この上ない幸せ。
このふたつに
勝る幸せはない。


ママありがとうございます。
セガレありがとうございます。



あ、ゆーこちゃん?
「珠里さん!なんで子供って、夜中にノドが乾くんでしょう。お茶!とか言って、よく起こすんですよ。もう!」
って。


私が目を細めて「あああ。いいわねぇ。」って、しみじみ懐かしむので、ドン引きしていました。
うっとりしてしまいます。


私は
ふたつの経験で
幸せな生き物ということになります。

ありがとう宇宙。
おめでとう俺。