子孫を残す欲求は幸せからは導き出せない。
寡黙な斬られ役を日々凝視していると何故かその真理が常に渦巻くのだ。
最期を演じ続ける将にその果てんと欲す瞬間の表情を目の当たりにするにつけ、セクシャルな衝動に駆られるのだ。
多分
彼は佇まいを己に放つのだろう。
ブラウン管を通して
光を浴びサブリミナルの連続のつながりで魅せる。
太陽のそれと刃のそれだ。
例えば
煙草の灰を灰皿に薬指の背で落とすパパの指遣いと
彼の刀の払い。
果たして
役柄に対する性の欲求なのか
演じる彼へのそれなのか
後者だろ、そりゃ。
普段の謙遜と裏腹の類い稀なる演技力。
そして台詞回しの息遣い。
バランス。
計算では。
子宮の算出で、だが。